東京都渋谷区の小児歯科 はちやデンタルクリニック


渋谷の原宿にある 歯科 歯医者 矯正歯科 審美歯科 ホワイトニング レーザー治療 スリープスプリント 日曜 祝祭日診療 等のご案内。

印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |

33.gifご予約.gifご質問.gifキャンペーン.gifポイント制.gif求人募集.gifMAP.gif

メールにて24時間予約可能
電話 03-3408-6480


お休みのお知らせ
特にございません。

毎週火曜日は通常通りお休みです。

治療の機会は絶好のチャンス

家族以外の方々との出会いや体験も,子どもにとってさまざまなルールや行動を身につける大切な機会です.自分の健康を守るための行動なら,通っている保育園や幼稚園でも,手洗いなどの保健行動を覚える機会が有るでしょう.同様に,困ったときの問題解決行動を学ぶことも大切で,病気やけがの治療経験は絶好の機会となるはずです.

嫌でつらい経験だからこそ,周囲の支えにより飛躍的に子どもが育つことを,臨床では日々実感します.私たちはよく,治療の終わった子どもたちに,「がんばったこと,皆に自慢してね」と声をかけます.
大人や友達に自慢している子どもや,治療がつらかつた子どもにそれぞれ対応してくださる園の先生方や,子どものむし歯に悩む保護者と一緒に考えてくださる地域の皆さんは,歯科医にとって大事な協働支援者です. 子どもにとって,第三者との信頼関係が大切なのは,育児の世界も医療の世界も同じなのです.

子どものセルフケアとインフォームコンセント

 セルフケアは主体的に生まれる志向や行動です.親や保育士,教師や医療職などの第三者からの押しつけではなく,年齢・障害にかかわらず,実践する本人が主体者として自主的に思考しなければ生まれません.
日常生活のケアだけでなく,生活障害や疾病への対・応についても同様の背景が想定されます.つまり,うがい、手洗い・歯みがきなどの保健行動や生活リズムの改善だけでなく,病気やけがで困ったときも,本人が認知し,どのように解決するのかを考え行動しなくては,生きていく力の向上には結びつかないのです.
 自身が抱える問題を認知・理解し,どのような手段で解決をはかるかを考え,専門職の支援を求めるまでの過程は‘大人も子どもも同じです.インフォームドコンセントの本質に変わりはないはずですが,子どもが対象となると,保護者にばかりに医療職は目を向けてきました.
子どもには問題解決の力はないと考えたからですが,本当にそうでしょうか?

 子どもに限らず,診療室は非日常的な空間で,はじめて診療椅子に上がるのはきわめて高い心理的障壁です.さらに痛みやつらさがあれば,誰でも不安で自己防衛的な思考や態度をもつのは当然です.大人は表情に出すまいとするのに対し,子どもは素直に出しているに過ぎないのです.しかし日常の臨床ではが保護者の通院に自発的についてくる子どもも珍しくありません.保護者と医療者との信頼関係が子どもにも安心感を与え,診療スタッフからの声かけや笑い声が,家庭との段差を少しずつ低くしているのでしょう

このように 段階をふまえて歯科医院に馴染み,むし歯のないうちにお口のケアを身につける経験から始めることができる子どもは幸せです.就学前までにはかかりつけ医との信頼関係もできあがり,問題がみつかっても一緒に考える余裕ができるでしょう.

 むし歯をセルフケアのきっかけに

 細菌感染症のむし歯の発症には,日ごろの食習慣や生活リズム(食べる.排池する、遊ぶ・寝る)が深く関わることが知られていて,健診でむし歯がみつかると,まず生活環境を検討することになります。 つまり,むし歯は育児を反映した現象とも考えられるわけで,子どものむし歯が検出され日常生活の検証が始まると,自身の育児を否定されたように感じる保護者もいます.これが,むし歯が進まないようにと,嫌がる子どもを押さえてでも歯みがきしたり,あるいは治療により白紙の状態を取り戻そうする保護者の行動の理由となっているようです.
 むし歯のみられる’低年齢児のなかには,行動の自律や生活リズムの形成が遅れていると思われる子どもも確かにいます.しかし,本人が治療を望むわけはなく,またむし歯の治療で生活習慣や行動が改善するわけでもありません.
 日本に善らす人なら,誰でも口腔内にむし歯の原因菌をもっていて,炭水化物を食べた後には毎回,微細な歯質の溶解(脱灰)が起こります.その後の修復(再石灰化)過程で回復がはかられるので,目に見えるむし歯にならないだけなのです.
むし歯になるのはこうしたバランスが崩れた結果で,日常の生活習慣を親子で再考するよいチャンスです.小さなむし歯がみつかったことを契機に 日ごろ口にする食べ物の偏りやお口の中を清潔に保つ工夫を,家族や診療スタッフと一緒に考えます.
子どもにセルフケアの志向と行動が根づいたら,一生の財産となるでしょう

子どもが大好きな歯医者はいっぱいいます

 しかし,痛みなどの生活上の障害が起こってからはじめて歯科を訪れた子ども,特に不安で逃げ出したい子どもにとってなら,子どもの心理発達にあったアプローチや生活背景に配慮できる専門職が頼りです.
小児歯科医は子どもの歯の治療が専門の歯医者だと思われがちですが,口と歯の発育や障害だけでなく,心理や行動の発達についても学ぶ機会が多く,治療にあたっても子どものこころへの配慮を欠かしません.
 保護者のなかには「小児専門医なのだから,子どもを納得させてにこやかに治療ができるのがあたり前」と考えて来院する人もいますしかし,小児歯科医だからといって,泣き叫ぶ子を穏やかに治療できる魔法を知っているわけではありません.むしろ,「嫌だから,騒いで当然」とクールに受容できる心構えをもっているに過ぎません.一方,目線は子どものこころを向き,言葉かけや抱擁などの子どもと共感できる所作とセンスに富み,保護者とは異なる視野をもつ第三者の大人として,子どもとの接点をつくる工夫を知っています.ぜひご相談下さい。

保護者と医療職とのチームプレーがカギ

 治療を前提として歯科医院を受診する2,3歳児を想定してみましょう.治療が受けられるか心配な保護者は,子どもを説得して協力的な態度を引き出そうとしますが,玄関先で激しく泣き叫び固まっている子どもが,口を開けて見せるまでには,とても長い道のりがあります.物事の因果関係やルールの理解,あるいは客観的判断による行動がまだ苦手な子どもにとって,危機的状況での唯一の拠りどころは保護者との信頼感です.
 診療施設のなかで低年齢児が逃避を試みる場合,泣く.暴れるだけでなく,保護者に庇護を求めます.
このときの保護者の態度は ①子どもと同じ周期でこころが揺れ動く,②早く済ませたいと突き放す,③冷静に医療職と協働して対応する,などに分かれます.個性や育児経験だけでなく,医療職との関係が大きく作用するので,保護者と医療職との関係構築が大切です.
 口だけでなく,目や耳を塞いだ子どもが 周囲を眺め,大人の話を聞けるようになるのは 保護者の庇護をしっかり確認できたからで,続いて保護者と歯科医,歯科衛生士や歯科助手が,それぞれの役割を演じて,子どもの興奮状態を和らげ,第三者とのコミュニケーション,それに続く主体的な判断や行動を促します.つまり問題解決は,保護者と医療職とのチームプレーから生まれるのです.

 まずは、子どもとの信頼関係をつくることから

 子どものつらさを共感する気持ちを態度で表すことから始め,落ち着いたら診療室の雰囲気や新たな経験に慣れる作業’そしてコミユニケーシヨンの確保に進みます.具体的には,筆者の例なら,抱擁あるいは身体マッサージから始め,周囲の観察や器材への接触など’さまざまな脱感作や行動変容療法の手段を試します.
 子どもの反応にあわせてアプローチを進めますが’変化の様相はさまざまで,数回体験を重ねても拒否行動に変化がないようにみえる子どもも大勢います.
しかし,保護者を介した関係から,子どもと第三者との間に信頼関係が生まれているなら大きな進歩です.つまり,都合のよい嘘や妥協的なご褒美ではなく,子どもにとっていやな行為や間きたくない言葉も「私のための真実」であることが伝わるからです.

大人からみれば不満足な結果であっても,子どもにとっていやな経験が終わった後には,保護者の前でがんばったことを称え,皆が嬉しかったことを必ず伝えます.このような言葉と態度が,子どものつらさを癒し,
失った自信を回復させます.
こうした応援を,家庭や園などでも繰り返すと,さらに効果は高まります.これは,子ども・保護者・医療職間に信頼関係が生まれたからこその結果なのです.

 まずは子どもと一緒に考えよう

 4歳以降になると,重度のむし歯や外傷など,侵襲的な治療が避けられない状況が増えてきます.最も大切なのは,子どもが主体的に考える過程です.もちろん,年齢に関係なく主体的な行動が苦手な子どももいますが,大人が答えを決めつけずに,さまざまな選択肢を一緒に考えると子どもは変容し始めます.たとえば,何もしないでこのまま様子をみる,という選択でもよいと思います. 誤解を恐れずに述べるなら,むし歯があっても生活に困らなければよいわけで,選択にあたっては。疾病の程度だけではなく,子どもの生活とその障害を判断の拠りどころとします.避けてばかりでは,結局つらい思いをするのは自分であることも子どもは知っています自分が主役として扱われたことから,状況を客観的にみつめることもできるようになり,判断レベルはおのずと高くなっていくのです.

前のページ  次のページへ